協奏曲と「首折り男の周辺」

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    「Story Seller」の「首折り男の周辺」を読みました。
    単行本「首折り男のための協奏曲」では、どこを改稿したのか気になります。
    以下、ネタバレを多く含みますので、ご注意ください。


    「首折り男のための協奏曲」は、この「首折り男の周辺」から始まるんですものね。
    最初の最初はどうだったのか気になります。
    文庫本が出たのは2009年1月です。
    わたしが読んだのは、その文庫本ですが、最初に世の中に出たのは
    「Story Seller」という雑誌だったようです。2008年4月。

    さて、お話の内容と改稿についてですが。
    伊坂幸太郎さんは、刊行記念インタビューでおっしゃっています。
    「単行本に収録するにあたり、骨格だけ残す感じで短くしました」と。

    はい、まさにそうでした。
    あちこちが削られていました。
    単行本を読んだ時は、全然違和感がなくてすんなり読めたのは
    削った部分がある分、残った部分に少し修正を加えて、
    他のストーリーとのつながりが強くなったからかもしれません。
    登場人物の名前とか、経歴とか、次のストーリーにつなげるための改稿だと思いました。



    改稿によって、よりおもしろくしてくれてありがとうと思う部分もありました。
    単行本の最初のページ(P7)に、疑う夫婦の二人の息子が住んでいる場所が書かれています。

    「長男は中国に、次男は中国地方の山口に住んでおり、なかなか会うこともない」

    わたしは、この「中国」つながりのユニークさが印象に残っていました。
    ところが、「Story Seller」では、中国じゃないんですね。しかも一人息子だし。

    「一人息子も転勤で関西に行ってしまったため」と、あります。

    確かに、ここを改稿しても、ストーリーに影響はないと思います。
    削除が多い分、こうして新たにクスっと笑える言葉を加えてもらえてうれしいです。



    もうひとつ。ストーリーには影響はない言葉の変化。

    単行本のP26で「銀行のATMコーナー」という言葉が出てきます。
    「Story Seller」P36では「銀行のキャッシュディスペンサー」となっています。

    今や「ATM」という言葉の方が普及しているからでしょうかねー。うふふ。



    「首折り男のための協奏曲」の「首折り男の周辺」は協奏曲の序奏だと思います。
    「Story Seller」の「首折り男の周辺」
    伊坂さんが刊行記念インタビューで「いま読み返すと、良くできていますよね」と
    笑いながらおっしゃっています。
    はい!
    「首折り男のための協奏曲」を読んだ後で、こちらを読み返すと
    どちらの「首折り男の周辺」も味が深くなりました。




    「伊坂幸太郎さんの本を読む」の「首折り男のための協奏曲」のぺージはこちらです。

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